プラスアートのコラムについて
プラスアートのコラムでは、アートをもっと身近に感じてもらえるような記事をお届けしています。季節ごとにおすすめの作家を紹介したり、アート初心者の方にもわかりやすく解説したりと、アートの魅力を多角的に発信。日常の中に自然とアートが寄り添うような、そんなヒントを見つけていただけるような内容を目指しています。ぜひ、アートの世界を気軽に楽しんでください。
目次
はじめに
「版画」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
浮世絵のような日本の伝統的な木版画、アンディ・ウォーホルのポップなシルクスクリーン、銅版画の繊細な線画など、実は版画にはさまざまな種類があります!
版画の最大の特徴は、「複数の作品を制作できる」という点。
同じデザインの作品が複数存在することで、希少価値と手に入れやすさのバランスが取れ、コレクションしやすいのも魅力の一つです!
本記事では、版画の基本から、その魅力、コレクションの楽しみ方までをわかりやすく解説します!

版画ってどんなアート?
版画は「版(はん)」を使って複数の作品を作る技法の総称です。
版の種類によって、作品の質感や仕上がりが異なります!
4つの代表的な版画技法!
木版画
木の板に絵を描き、それを彫刻刀で彫って版を作り、インクをのせて紙に刷る技法です!
主に日本の浮世絵が有名で、葛飾北斎や歌川広重などが代表的な作家です。

特徴
✔ 手作業による温かみのある風合い
✔ 版の彫り方によって線の強弱が出る
✔ 一枚一枚手で刷るため、微妙に異なる仕上がりになる
木版画は「多色刷り」という技法もあり、色ごとに異なる版を作り、順番に刷り重ねることで鮮やかな作品が仕上がります。

銅版画
金属板(主に銅や亜鉛)を版を腐食したり彫刻することで版を作り、そこにインクを詰めて紙に刷る技法です!細かい描写が可能で、美術作品や印刷技術としても発展してきました。
主に「エッチング(Etching) – 腐食銅版画」と「メゾチント(Mezzotint) – 黒版画」の二種類の技法があります!

リトグラフ(石版画)
平らな石やアルミ板に油性のクレヨンやインクで絵を描き、水と油の反発作用を利用して刷る技法です!
19世紀に発明され、ポスターや美術作品に幅広く使われています。
パブロ・ピカソやマルク・シャガールもリトグラフを活用しました。

特徴
✔ 筆や鉛筆のような自然な線を再現できる
✔ グラデーションや水彩のような表現が可能
✔ 多色刷りがしやすく、色彩豊かな仕上がり
リトグラフは手作業によるアート作品としての価値が高いですが、現在ではオフセット印刷の技術にも応用され、大量印刷にも活用されています。
シルクスクリーン
版に絹やナイロンなどの細かいメッシュを使い、インクを押し出してプリントする技法です!
アンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー」シリーズなど、ポップアートで有名です。

特徴
✔ 鮮やかな発色が可能
✔ 1色ごとに版を作り、重ねることで色の組み合わせを楽しめる
✔ 布やガラス、プラスチックなど紙以外の素材にも刷れる
シルクスクリーンは現代でもTシャツやポスターの印刷技術としてよく使われており、アートとデザインの両方の分野で活用されています!
一枚だけじゃないからこその魅力!
版画の大きな特徴は、同じ作品を複数枚制作できること。
絵画のように「一点物」ではなく、同じ作品が何枚も存在することで、コレクションしやすく、アートをより身近に楽しめる魅力があります!
版画の「エディション(限定数)」とは?
版画には「エディション」と呼ばれる限定数が設定されていることが多く、例えば「50/100」と書かれている場合、それは100枚中の50枚目という意味になります。
エディションが少ないほど希少価値が高まり、アート市場でも高く評価される傾向があります。
銅版画ならではの奥深さ
銅版画は、彫りや腐食のプロセスによって細かなディテールを表現できるため、一枚ごとに微妙な違いが生じることがあります!
「エッチング(腐食銅版画)」では、酸の腐食の度合いやインクの乗せ方によって、刷るたびにニュアンスが変化します。
「メゾチント(黒版画)」は、繊細なグラデーションや深みのある陰影が生まれ、一つひとつの作品に味わいの違いが出るのが魅力です。
一枚一枚に個性が宿る
「同じ版から刷られた作品でも、一枚ずつ違いがある」これが版画の醍醐味のひとつです!
手作業でインクをのせ、プレス機で刷っていく中で、インクの濃淡や刷りの力加減によって微妙な変化が生まれます。まさに、一枚一枚が唯一無二の存在とも言えるのです!
版画は「アート作品としての価値」だけでなく、「コレクションする楽しさ」も味わえるジャンル。
お気に入りのアーティストの版画を集めたり、同じ版の異なるエディションを比較したりと、自分なりの視点で楽しめるのも魅力です!
初めてでも大丈夫!版画のコレクション術
版画は比較的手頃な価格から購入できるため、アート初心者にもピッタリ!
気に入った作家の小作品からコレクションするのもおすすめです!

軽くて飾りやすい版画は、インテリアにも最適!
額装を変えたり、複数枚を並べるだけで、空間に個性とリズムが生まれます。
気軽に模様替えを楽しみながら、自分らしいアート空間を作ってみましょう!

版画は、その多彩な技法や表現力、一枚一枚の個性、そしてコレクションのしやすさから、初心者にもおすすめのアートジャンルです!
木版画の温かみ、銅版画の繊細な線、リトグラフの豊かな色彩、シルクスクリーンの鮮やかさなど、技法によって生まれる魅力もさまざま。
まとめ
「アートをもっと身近に楽しみたい!」そんな方は、まずは気に入った作家の小さな版画から始めてみてはいかがでしょうか?
飾る楽しさと、集める喜びを感じながら、あなたらしいアートの世界を広げてみてください!
あなたの空間に、アートをプラスしてみませんか?
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執筆者はこの人!

夏寧
アートやインテリア、音楽が好き。
美術大学でメディアアートを学び、プラスアートギャラリーでの勤務や作品制作を経験。好きなものを楽しむ視点で、アートのある暮らしを提案します!