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ゴッホ展「家族がつないだ画家の夢」展示レポート|油絵に宿る情熱と家族の物語

2025.9.24

初級
展覧会レポート
ゴッホ展アイキャッチ

プラスアートのコラムについて
プラスアートのコラムでは、アートをもっと身近に感じてもらえるような記事をお届けしています。季節ごとにおすすめの作家を紹介したり、アート初心者の方にもわかりやすく解説したりと、アートの魅力を多角的に発信。日常の中に自然とアートが寄り添うような、そんなヒントを見つけていただけるような内容を目指しています。ぜひ、アートの世界を気軽に楽しんでください。

目次

はじめに:ゴッホ展に行ってきました

東京都美術館で開催中の ゴッホ展「家族がつないだ画家の夢」 に足を運んできました。
今回の展示は、単なるゴッホ作品の回顧展ではなく、ファン・ゴッホ家がどのように彼の夢を守り、世界へ広めたのか に焦点を当てています。

アートファンや美術館めぐりが好きな方はもちろん、ゴッホの油絵を初めて鑑賞する人にもおすすめできる充実した内容でしたので、その魅力をまとめてご紹介します。

ゴッホ展アイキャッチ

1. 展示概要:家族が守り抜いたゴッホの夢

本展覧会では、ゴッホの初期から晩年までを通じて油絵や素描を展示。特に注目すべきはファン・ゴッホ家の尽力によって遺された作品と手紙 です。

*1Credits of the photos: Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent Van Gogh Foundation)
*2©:unknown

  • 弟 テオ・ファン・ゴッホは、生前から兄フィンセントを精神的にも経済的にも支えました。
  • テオの死後、妻の ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲル が膨大な作品を整理・保管し、出版や展覧会を通じて世に広めました。
  • その息子 フィンセント・ウィレム は「フィンセント・ファン・ゴッホ財団」を設立し、後のアムステルダム・ゴッホ美術館の基礎を築きました。

つまり、今回のゴッホ展は「作品そのもの」と同時に、家族の絆が紡いだ美術史を体感できる展示になっています。

2. ゴッホ展:展示の見どころ

ゴッホの油絵や素描など30点以上が集結!

初期の暗い色調の作品から、南仏アルル時代の鮮やかな色彩、晩年のオーヴェル=シュル=オワーズの作品まで、ゴッホの画業を時系列でたどれます。
筆致の変化や色彩の進化を追体験できるのは、油絵ならではの迫力です。

初来日!ゴッホの手紙4通

ゴッホ展ゴッホの手紙

「傘を持つ老人の後ろ姿が描かれたアントン・ファン・ラッパルト宛ての手紙」
1882年9月23日頃 ペン、インク、紙
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム (フィンセント・ファン・ゴッホ財団) Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation) (purchased with support from the Mondriaan Fund, the Ministry of Education, Culture and Science, the VSBfonds and the Cultuurfonds)

手紙には、絵画に対する真剣な姿勢や弟テオへの深い感謝が綴られています。ゴッホの内面を知る貴重な資料であり、作品鑑賞に厚みを与えてくれます。

大迫力!イマーシブ・コーナー

幅14メートルを超える巨大スクリーンに、《花咲くアーモンドの木の枝》や《ひまわり》が高精細画像で映し出されます。特に3Dスキャンを行ってCGにした《ひまわり》は、油絵のタッチや絵具の盛り上がりが拡大され、まるで絵画の中に入り込むような没入体験が可能です。

豊富なコラボグッズ

展示会場限定販売の美術館ショップには「ミッフィー×ゴッホ展」のコラボアイテム、リラックマ・すみっコぐらしとのコラボ雑貨、青山デカーボのゴッホのひまわりクッキー缶など、多彩な商品が並びます。
ゴッホの作品の魅力を存分に詰め込んだオリジナルグッズは展示の余韻を日常に持ち帰れるのが魅力です。

3. 合わせてチェックしたい展示:「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」

現在、神戸で開催中の 「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」 では、名画《夜のカフェテラス》が展示されます。
こちらの展示は2026年に東京でも開催予定(5月29日~8月12日、上野の森美術館)。ゴッホ好きは併せてチェック必須です。

大ゴッホ展 公式サイトはこちら

4.混雑状況について:実際に行って感じたこと

ゴッホ展アート展示風景

私が訪れたのは、土日と祝日に挟まれた平日(月曜・9月22日)でしたが、それでも会場はかなりの混雑ぶりでした。特に人気作品の前では、人の流れに合わせながら鑑賞する形になり、正面からじっくり油絵を見るのは難しい場面もありました。

通路が人で塞がる箇所もあり、スタッフが「前にお進みください」「立ち止まらずご覧ください」といった声掛けを行っていたのが印象的です。これは大規模なゴッホ展ならではの光景といえるでしょう。

また、グッズ販売コーナーもかなりの混雑で、多くの来場者がショップに詰めかけていました。ただし、限定チケット購入者向けのアイテムを除き、一般販売のコラボグッズは在庫が豊富で、人気のリラックマとのコラボ商品やひまわりのクッキー缶なども十分に購入できる状態でした。

混雑を避けたい場合は、平日の午前中や閉館間際を狙うのが良さそうです。

まとめ:ゴッホと家族の物語を美術館で体感しよう

ゴッホ展「家族がつないだ画家の夢」は、単なるゴッホの油絵展ではなく、家族の献身とともに歩んだ芸術史を感じられる特別な展示です。
作品に触れるだけでなく、彼の人生や家族の物語を知ることで、ゴッホの絵画がより深く心に響くことでしょう。

ぜひ美術館に足を運び、展示を体感してみてください。

展覧会名
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
会期
2025年9月12日(金)—12月21日(日)
※土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制
会場
東京都美術館
〒110-0007 東京都台東区上野公園8−36

ゴッホ展 公式サイト

最後に

いかがでしたでしょうか?今回の記事でよりアートを身近に感じることができたら幸いです。
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執筆者はこの人!

保護猫のキキ

おだやか

美術大学にて油絵、インスタレーションを学び、プラスアートギャラリーにて勤務、展示運営などに携わる。
アートと猫が好き。

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